Googleアナリティクスのアクセス解析データって、とてもたくさんの情報が記録されています。
あまりにデータの幅が広すぎて、「もっと絞り込んだデータが見たい!」と思ったことありませんか?
GoogleAnalyticsには、データを抽出して表示する機能があります。
それが、「アドバンスセグメント」と「フィルター」です。
どちらもデータを絞り込む機能なだけに、「じゃあ、どっちを使えばいいの?」と悩んでしまいます。
アドバンスセグメントとフィルターの違いを知れば、より効率的なアクセス解析が可能になります。
アドバンスセグメントとは
通常のレポートに表示される全てのアクセスデータを、「特定の条件で抽出(絞り込んで)表示」する機能です。
例えば、
- 「新規ユーザー」だけで絞り込んだアクセスデータが見たい
- 「検索エンジン経由で訪れたユーザ」だけで絞り込んだアクセスデータが見たい
- 特定のページ(URL)にアクセスしたデータだけに絞り込みたい
など、条件を指定して絞り込みをかける事ができるのです。
フィルタとは
アドバンスセグメントは、蓄積されたアクセスデータに対して絞り込みをかける機能ですが、フィルタはプロファイル自体に絞り込みを設定します。
つまり、トラッキング(データを蓄積)する時点でフィルタリングするため、そもそも絞り込まれたデータだけが蓄積されるという事になります。
「じゃ、フィルターなんか使わずに、アドバンスセグメントだけでいいじゃん!」と思うかもしれません。
しかし、フィルターとアドバンスセグメントで絞り込まれるデータに違いがあるのです。
アドバンスセグメントとフィルタの違いを知れば、より効率的にアクセス解析ができるようになります。
フィルタリングできる期間の違い
アドバンスセグメントは、記録している全期間のデータが対象になるので、過去のデータへも適用可能です。
フィルタは、プロファイルにフィルタ設定してから記録されるデータに適用されますので、フィルタ設定前の過去データには適用されません。
(フィルタリングしたデータだけを蓄積していく機能なので、あたりまえですね。)
抽出対象となるデータの違い
アドバンスセグメントは、セッションレベル(訪問単位)のデータを対象にフィルタリングが行われます。
一方、フィルタはページビューレベル(該当するページやディレクトリのみ)を対象にしています。
何のこっちゃ?と思うかもしれませんが、ここが「アドバンスセグメントを使うか? フィルターを使うか?」の大きなポイントなので、次に詳しく説明します。
アドバンスセグメントの抽出対象
アドバンスセグメントの「セッションレベル(訪問単位)」とは、『そのページ(URL)を閲覧した訪問全体が対象で、その訪問で閲覧された全てのページが抽出される』という事です。
アドバンスセグメントの絞り込み条件を【ページBを閲覧した人のみ】としていた場合で考えてみます。
「訪問者が”ページBを閲覧”したら、その訪問者がアクセスした全てのページが対象」というイメージです。
使い方としては、「このページを見た人」を対象にして、その訪問のアクセス全体を解析する。という事が可能です。
また、過去データにも適用できるのでダイナミックにフィルタリングできる点が便利ですね。
フィルタの抽出対象
一方、フィルタの「ページレベル」とは、純粋に『絞り込み条件に該当するページだけが対象で、そのページだけが抽出される』という事です。
同じように、フィルタの絞り込み条件を【ページBを閲覧した人のみ】としていた場合で考えてみます。
訪問者が色々なページを閲覧しても「ページBのみのデータが対象」というイメージです。
“ページ”といっても、ディレクトリ(URL)も含まれるため、「あるディレクトリ以下のアクセスのみ抽出」という使い方ができます。
どう使い分けするか?
企業ページなどは、1つのドメインの中で複数の部門がページを持つ事があります。
製品情報:example.com/product/
採用情報:example.com/recruit/
という構成だった場合、「/recruit/ を含むデータだけで絞り込み」とすれば、純粋に採用情報のアクセスデータだけが取得できます。
同じ事をアドバンスセグメントで行った場合、訪問者が「採用情報⇒製品情報⇒トップページ」とアクセスした場合、製品情報やトップページのデータまで抽出されてしまいます。
どの様なデータを抽出したいか?を考えて、アドバンスセグメントにするか、フィルターにするか、を決める必要がありますね。