インターネット検索やソーシャルメディア(Facebook、Twitter、mixi、ブログなど)の普及により、消費者が商品を購入する際の「行動プロセス」は常に変化しています。
特に、消費者がインターネット上で行う「検索」や「共有」などの行動は、ウェブビジネスで重要なアクションです。
消費者の購買行動プロセスに合わせたサイト戦略が、Webサービスでは重要なポイントになります。
では、消費者が商品を購入するとき、どのようなプロセスで行動するのでしょうか?
AIDMA
これまでの有名な法則として「AIDMA(アイドマ)」があります。
これは一般的な商品購入のプロセスをモデル化したマーケティング理論です。
A:Attention(注意・認知) テレビCMや雑誌などから商品の存在を知る (あ、こんな商品があるんだ...) I:Interest(興味・関心) 商品へ興味・関心を抱く (ふーん、面白いな...、便利そうだなー...) D:Desire(欲求) 商品を欲しくなる (これ、欲しいなー...) M:Memory(記憶) 商品や商品の特徴を記憶する A:Action(行動) 商品を購入する
これら5段階の頭文字をとって「AIDMA」と言います。
AISAS
インターネットの普及により購買プロセスに変化が起きました。
消費者が購買する際、インターネットの「検索」や「ソーシャルメディア(Facebook, Twitter, ブログなど)」を活用するようになります。
消費者の購買行動に「インターネットの影響」を反映させたモデルが「AISAS(アイサス)」です。
従来のモデル「AIDMA」をベースに、「Search(検索)」と「Shere(共有)」の考え方をあてはめているのが特徴です。
A:Attention(注意・認知) テレビCMや雑誌などから商品の存在を知る (あ、こんな商品があるんだ...) I:Interest(興味・関心) 商品へ興味・関心を抱く (ふーん、面白いな...、便利そうだなー...) S:Search(検索) 商品についての情報を集める・比較する (機能を詳しく知りたい...、価格はいくらかな...、他の製品と比較してみよう...) A:Action(行動) 商品を購入する S:Share(共有) 感想や使用感などを、Facebookなどのソーシャルメディアで共有する
「消費者に興味を持ってもらい、消費者が自ら情報を収集する」
というプル型のマーケティング戦略になった事、
そして、「購入後に感想や使用感を、消費者が発信できるようになった」
という事が大きなポイントです。
AISCEAS
AISAS(アイサス)モデルにある「Search(検索)」を、もっと深く掘り下げてモデル化したものが「ASCEAS(アイセアス、アイシーズ)」です。
検索プロセスで発生する「Comparison(比較)」と「Examination(検討)」の行動、つまり機能・性能、最安値、レビュー(口コミ)などを比較・参考にする行動が盛り込まれているのが特徴です。
A:Attention(注意・認知) テレビCMや雑誌などから商品の存在を知る (あ、こんな商品があるんだ...) I:Interest(興味・関心) 商品へ興味・関心を抱く (ふーん、面白いな...、便利そうだなー...) S:Search(検索) 商品についての情報を集める・比較する (機能を詳しく知りたい...、価格はいくらかな...、他の製品と比較してみよう...) C:Comparison(比較) 検索で見つけた商品を比較する (機能の違いはあるのかな...、どっちが安いかな...、他に製品はあるかな...) E:Examination(検討) 比較した情報やレビューなどで商品を検討する (レビューで良い事書いてあるな...、こっちの商品の方が高性能だな...) A:Action(行動) 商品を購入する S:Share(共有) 感想や使用感などを、Facebookなどのソーシャルメディアで共有する
消費者が興味を持ち、検索した後に比較・検討して「納得して購入する」という傾向が反映されていますね。
AISCEASは、電化製品や自動車、保険やネットサービスなど「大きな買い物(失敗したくない買い物)」にあてはめるとイメージしやすいです。
SIPS
ソーシャルメディアの普及により「消費者が自ら検索」し、さらに「消費者が自ら発信」できる時代です。
そこで「消費者が自ら行うアクションにスポット」をあてたモデルとして登場したのが「SIPS」です。
S:Sympathize(共感する) 情報に対して共感する - 特にソーシャルメディアは「共感」で繋がっている。 (これはよさそうだな...、面白そうだな...) I:Identify(確認する) ネットや口コミ、友人などから商品について確認する。 (自分に合った商品かな...、本当によいものかな...) P:Participate(参加する) 必ずしも購買を伴わない応援・支援行動 ファンになる、購読するなど、商品やブランドのコミュニケーションに参加する S:Share & Spread(共有・拡散する) 参加活動や商品・ブランド情報を共有する
注意が必要なのは、SIPSは「AISAS(AISCEAS)」にとって代わる行動モデルではないという事です。
SIPSは、消費者の行動を「消費者視点」でより深く掘り下げた行動プロセスなので、むしろ、「AISAS(AISCEAS)」と一緒に考えるべきモデルといえます。
参考:以下のブログが非常にわかりやすく解説してあります。
AISAS型のマーケティング思考にSIPS理論を取り入れてみる。- オプトソーシャル
ウェブサイトの改善に役立てよう!
ウェブサイト改善のPDCAを実行したいけれど「どこから手をつけたらいいのかわからない」「何から考えたらいいのかわからない」と悩んでいる方も多いと思います。
そんな時は、この購買プロセスが思考を整理するガイドになります。
例えば「AISAS」の場合、、 A:Attention(注意・認知) ユーザーに認知されていない場合、ユーザーの求めるキーワードやコンテンツ量の見直しなど、とにかく知ってもらう。 I:Interest(興味・関心) 認知はされているが興味が持たれていない場合、コンテンツが期待される内容になっているかを見直すなど、関心を持ってもらう。 行動段階 S:Search(検索) ユーザーが探している時に、ちゃんと見つけてもらえるか? Googleアナリティクスなどのアクセス解析から、検索エンジンからの流入を確認する。 想定してる検索キーワードからの流入があるか確認する。 A:Action(行動) ユーザーが最終的なコンバージョンのアクションをしているか? 最後のアクション前に離脱している事はないか? S:Share(共有) ユーザーからの反応はあるか? どんな感想を持たれたか、確認方法はあるか?
消費者の購買行動モデルを1つのチェック項目として考えると、考えがまとまりやすくなります。考えだすと「あれも、これも」で、結局何も思いつかない…という状態になった場合に活用するとよいですね。
まとめ
購買の行動プロセスモデルをツールとして活用し「使える所は使う」と考えるとよいですね。
そして、行動プロセスと同じように「消費者目線」を考えたウェブデザインも重要になります。
以下のサイトも参考にさせて頂きましたので紹介します。
・AIDMAとAISASの違いを理解しよう – ASCII.jp
・マーケティングはAIDMAからAISAS、そしてSIPSへ
・SIPS – 電通
・AISCEASの法則とは – アンヴィコミュニケーションズ